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暁橋のたもとから

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離島と本土を繋ぐ日本最小の『暁橋』のたもとから、娘と善き隣人に届けます。

紫羅欄花に思う

5月6日の誕生花・ストック(アラセイトウ・紫羅欄花) 此方より寸借 


 5月6日の誕生花が、ストック(アラセイトウ・紫羅欄花)だと言う事を、初めて儂に教えてくれなさったのは、学生時代に親しくしてくださった、京都府亀岡市の駅前に在った、洋菓子店「ポミエ」の奥さんじゃった。


 ポミエのマスターは、シンガーソングライターのみなみらんぼうさんに似た感じの、細身で長身の、髭の似合う、優しい方じゃった。


 田舎に在った小さな洋菓子店とは言え、マスターのパティシエとしての技術は高く、神戸の有名店や一流ホテルで修行され、その間にも多くの賞を受賞され、作り出されるケーキや焼き菓子は人気が高く、京都市内や、大阪や神戸から買いに来られる御客様も多かった。


 儂は、ポミエの「ガトーフレーズ」が大好きで、最初に食べた時、この美味しさに惚れ込み、足繁く通う内に親しくなり、焼き菓子の作り方の手解きを受けたり、ジャムの炊き方についてのアドバイスをして戴いたりしたんじゃった。 


 奥さんは、小柄で丸顔の笑顔の素敵な気さくな方じゃったが、慢性の内臓疾患を患っておられた様で、その所為か夫婦にお子さんは無く、休日には、二人で趣味のバイクツーリングに出かけたり、趣味の陶芸に勤しんで居られた様じゃった。 


 残念ながら、奥さんは、儂が最初の結婚をした頃に亡くなられ、その後も店を続けて居られたんじゃが、20年ほど前に店を閉められて、以後は、陶芸に本腰を入れられ、気が向いた時にバイクツーリングに出かける生活をされていると言う話を、もぉ随分前に、京都の友人から聞かされたんじゃった。


 あの時から、儂は、紫色のストックが好きになった。


 薔薇の様な派手さは無いが、柔らかな紫の花びらと、甘く馨る優しい匂いは、心を和ませて呉れるんじゃった。




 学生の頃、春休みが終わって京都へ戻る前日に、買い物に出た広島市の花屋で、紫色のストックを買って帰って、珍しく花を買って来た儂に驚いている母に、 

 「母、それ、僕の誕生日の花で、ストック言うんよ。・・・えぇ匂いじゃろぉ。」と、言うと、母は匂いを嗅ぎながら、 

 「誕生日に決まった花が在るんか?・・・ふぅーん・・・誰が決めたんかのぉ?」と、聞かれたもんで、一瞬、意表を突かれたんじゃが、 

 「京都で世話に成っちょるケーキ屋さんの奥さんが、教えてくれんさったんよ・・・奥さんは花が好きで、色んな事に詳しいんよ。」

 「誕生日の花を誰が決めたんかは知らんのんじゃが、多分、その季節の花を売ろぉと思ぉて、花屋の協会の人等が決めたんじゃろぉ。」と、適当な思い付きで言ぅたら、母は、それなりに納得して、儂が買ぉて来たストックを、花瓶に生けたんじゃった。

 母は、細かい事に拘る様な性分じゃ無かった。・・・儂とは真逆・・・どちらかと言ぅと、儂の性格は父に似ている。



 上の写真は、儂が生後百日のお宮参りをした時の写真じゃが、儂は、健康優良児じゃったが、産まれる時は、三日がかりの大変な難産で、仮死状態で生まれて来た程じゃった。



 写真を見ればお分かりじゃろぉが、儂は、鼻ぺちゃで、眠って居るのと間違えるほど目が細く、はぶてた(広島弁・機嫌を悪くした)口をした不細工な赤ん坊じゃったらしい。


親戚中の人から、「高尾橋の地蔵さん」と、呼ばれちょったらしい。


 3歳上の兄は、赤ん坊の頃、人形の様に可愛い赤ん坊じゃったらしく、誰からも「可愛い♬」と、絶賛され、一緒に写真を撮るのを望まれたらしぃんじゃが、不細工な赤ちゃんの儂は、褒める言葉が無く、唯一、色白じゃったので、

 「まぁ、色の白い元気そうな赤ちゃんじゃねぇ。」と、誰もが口を揃えて言って居たと、儂の子守をよくしてくれよった、従姉から、大人に成っても、顔を合わす度に聞かされよったんじゃった。

 いつも子守をしている赤ん坊が、「不細工な赤ちゃん」とけなされている事が、とても悔しかったらしいんじゃが・・・。


 物心付いた頃から、従姉から、そんな話や、儂が大変な難産の末に産まれた事や、小学校に入学してすぐに、足に大怪我をして、母に負ぶって貰って登校した時の話などを聞かされ、儂の為に、母が、どれだけ苦労をし、愛情を注いできて呉れたかを刷り込まれていったんじゃった。



 その所為ばっかりじゃ無かろぉが、儂は何時の頃からか、「誕生日は、大変な思いをして産み育ててくれた両親に感謝する日」じゃと思う様になった。 


 じゃけぇ、儂は、成人してからは、両親を誘って外食をしたり、母の好きな牡丹餅を作って持って行ったりしよったんじゃった。


 両親が亡くなってからは、日頃から御世話になっちょる善き隣人に、ジャムを炊いたり焼き菓子を作って、食べて戴きよるんじゃった。



 今日、広島では、朝は良い天気じゃったのに、昼から雷鳴が轟いて土砂降りに成ったり、暫くして晴れたかと思ったら、又にわかに曇りだして雷雨になるとか、荒れた天気じゃった。


 久し振りの休日じゃったが、昨日作ったジャムを、彼方此方に配って回ったり、宅配便に送ったりした。


 「日頃からの感謝の気持ちを一瓶のジャムに込めて・・・」と、還暦前のチビでデブでハゲのオジサンが言うと笑い話にしかならんのんじゃが・・・。



 今日は、机の脇に飾った、いつもの花屋で買った、紫のストックの馨りの漂う中で、これまで触れ合って来た素敵な人達の事を想い返しよるんじゃった。・・・アジアの片隅より


Commented by are6678 at 2019-05-07 22:19
今晩は。
お誕生日 おめでとうございます。

チビでデブで・・・なんて、人間としての良し悪しに全く関係ありません。
この歳(秘密)になって、つくづく思うのは、
男も女も一番大事なのは 「心」 だと痛感しています。
Commented by shinn-lily at 2019-05-08 08:11
誕生日は親に感謝する日・・・私もそう思っています。
お誕生日おめでとうございます。
by sakananoojisan | 2019-05-06 23:26 | 昔の思い出 | Comments(2)

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